デュピルマブ(デュピクセント)について

こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。

お子さんのアトピー性皮膚炎にお悩みの方にとって、新しい治療法があると聞くと希望を感じることと思います。

今回は、いまとても注目されているデュピルマブ(デュピクセント)について詳しくお話しします。この薬がどのように機能するのか、またその効果と注意点についてご紹介します。

デュピルマブ(デュピクセント)とは?

デュピルマブ(デュピクセント)は、主にアトピー性皮膚炎、気管支喘息、慢性副鼻腔炎などの治療に使用される生物学的製剤です。デュピクセントは、重症のアトピー性皮膚炎の治療に大きな効果を発揮することから、近年注目を集めています。

この薬は、皮下注射するお薬です。塗り薬と併用することで、肌の状態がとても良くなります。

デュピルマブの作用機序

デュピルマブは、IL-4IL-13というサイトカイン(細胞間の信号伝達を行うたんぱく質)の働きを抑えることで効果を発揮します。これらのサイトカインは、アレルギー反応や炎症反応に深く関わっており、アトピー性皮膚炎や喘息の症状を引き起こす原因となります。

デュピルマブがこれらのサイトカインの作用を阻害することで、次のような効果が期待されます。

・皮膚の炎症を軽減する(アトピー性皮膚炎)
・皮膚のかゆみをおさえる
・バリア機能を強化する

デュピルマブの使用方法

デュピルマブは大変効果的な薬ですが、以下のような副反応も認めれれています。

注射部位の反応
注射した部位に赤みや腫れ、かゆみが現れることがあります。通常、数日で改善しますが、ひどい場合は医師に相談しましょう。

結膜炎や眼の乾燥
一部の患者さんで、結膜炎や眼の乾燥、かゆみなどの眼症状が報告されています。眼の違和感が続く場合は、眼科医の診察を受けることをお勧めします。

アレルギー反応
稀に、デュピルマブに対するアレルギー反応が起こることがあります。発疹、かゆみ、息苦しさなどの症状が出た場合は、すぐに医師に連絡してください。

寄生虫感染のリスク
デュピルマブの作用機序により、一部の寄生虫感染に対する防御機能が低下することがあります。寄生虫感染症の既往がある場合は、使用前に医師に相談してください。

パパ・ママへのアドバイス

デュピルマブは、重症のアトピー性皮膚炎に対して有効な治療法の一つです。

定期的な診察を受ける
治療の効果を確認するために、定期的に医師の診察を受けることが大切です。皮膚の乾燥や湿疹に対する塗り薬もしっかりと継続しましょう。

・副作用のサインに注意する
副作用のサイン(注射部位の反応や眼症状など)に注意し、異常を感じた場合はすぐに医師に連絡してください。

デュピルマブを使用することで、アトピー性皮膚炎や喘息の症状を効果的にコントロールし、生活の質を向上させることが期待できます。何か心配なことがあれば、いつでもクリニックにご相談くださいね。

次回も役立つ情報をお届けしますのでお楽しみに!

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