まず中耳炎という単語の中の「中耳」について説明します。
中耳とは耳の構造の一部で、鼓膜の内側にある空洞のことです。
この空洞の中には耳小骨という小さな骨が複数組み合わさって存在しており、鼓膜の振動を内耳という音を感じる器官に伝える役割を果たしています。ここでは中耳は「音を伝える部分」と捉えておけば結構です。
そして、この中耳の壁の一部は開口しており、鼻の奥の部分(上咽頭と言います)まで繋がっています。この管の様になっている部分を「耳管」と言います。この耳管は普段は中耳の換気、異物の排出、そして普段閉じていることにより雑菌の多い上咽頭から中耳への感染の防御を行っています。
しかし、風邪を引いて上咽頭に病原体が増殖すると、それが耳管を上行して中耳に感染し耳の痛みや耳だれ、耳の詰まり感(音を伝える部分が膿などで障害されるためです)といった症状を引き起こします。これが急性中耳炎です。さらに子供の場合はまだ耳管が短いため、より中耳に感染しやすくなります。これが、風邪の多い冬に小児の急性中耳炎が多く発生する理由です。
もしもお子様に上記のような症状がありましたら是非とも受診してくださいね。