1シーズンに2回かかることもある 手足口の原因と対策

こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。

今年は手足口病が大大大流行していますが、実は手足口病に1シーズンで2回もしくは3回かかることもあるのをご存知ですか?

実際に最近クリニックでも「今年3回目です(涙)」「どうしてそんなことが起こるの?」と驚かれる方もいらっしゃいます。今回は、手足口病の原因や1シーズンに2回以上かかる理由、そしてその対策について詳しくお話しします。

手足口の原因

手足口病は、主にエンテロウイルス(コクサッキーウイルスA16型やエンテロウイルス71型など)によって引き起こされる感染症です。
名前の通り、手のひら、足の裏、口の中に水疱性の発疹ができるのが特徴です。特に幼児や小さな子供に多く見られる病気で、夏から秋にかけて流行することが多いです。

手足口病に1シーズンで2回以上かかる理由

「手足口病は1度かかればもうかからないのでは?」と思われるかもしれませんが、実際には1シーズンに2回以上かかることもあります。その主な理由は次の通りです。

異なるウイルス型への感染
手足口病を引き起こすウイルスには、コクサッキーウイルスA16型やエンテロウイルス71型など、いくつかの異なる型があります。1度感染しても、別の型のウイルスに感染すると、再び手足口病にかかることがあります。たとえば、最初はコクサッキーA16型で感染し、次にエンテロウイルス71型で感染するというケースです。今年はコロナ禍でほとんど見られなかった手足口病の色々なウィルス型が大大大流行しています。

免疫の一時的な性質
手足口病にかかった場合、特定のウイルス型に対する免疫ができますが、その免疫は一時的であり、完全には持続しないこともあります。特に小さな子供の場合、免疫システムがまだ十分に発達していないため、再感染しやすいと言われています。

手足口病の対策と予防法

1シーズンに何回も手足口病にかからないためには、予防が非常に大切です。以下の対策を心掛けましょう。

手洗いの徹底
手足口病は接触感染や飛沫感染によって広がります。こまめな手洗いが、感染予防の基本です。外出から帰った時や食事前、トイレの後には必ず石鹸と水で手をしっかりと洗いましょう。

おもちゃや共有物の消毒
子供が触るおもちゃや家具などを定期的に消毒することも大切です。特に保育園や幼稚園では、共有する物の消毒を徹底することが求められます。

体調が悪い場合の外出を控える
手足口病の症状が見られた場合は、他の子供に感染を広げないためにも、外出を控えるようにしましょう。保育園や幼稚園に通う場合は、医師の指示に従って登園の可否を判断してください。

家庭内での感染予防
家庭内で感染者がいる場合は、家族全員で感染予防策を徹底しましょう。共有する食器やタオルを分ける、定期的な手洗いと消毒を行うなどの対策を行うことが大切です。

十分な休養と栄養
免疫力を高めるためには、十分な休養とバランスの良い食事が不可欠です。子供が元気に過ごせるよう、栄養のある食事を心掛けましょう。

パパ・ママへのアドバイス

手足口病に1シーズンで2回かかることは珍しいことではありません。特に免疫システムがまだ発達中の子供たちにとって、異なる型のウイルスに対して再感染することはあり得ます。以下の点にも気をつけて、子供たちの健康を守りましょう。

症状の変化に敏感になる
手足口病の初期症状(発熱、喉の痛み、発疹など)に気付いたら、すぐに対応することが重要です。症状が悪化したり、長引く場合は、早めに医師に相談してください。

医師の指示を守る
手足口病にかかった場合のケア方法や治療法については、必ず医師の指示を守るようにしましょう。十分な水分補給や安静が求められることが多いです。

安心感を持って対応する
手足口病は基本的に軽症で自然治癒することが多いですが、親御さんが不安になりすぎず、冷静に対応することが大切です。子供が不安にならないよう、安心させてあげることも大切です。

今年も手足口病が流行していますので、しっかりと予防し、もしも感染した場合でも適切に対応していきましょう。何か心配なことがあれば、いつでもクリニックにご相談くださいね。

次回も役立つ情報をお届けしますのでお楽しみに!

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