RSウイルスから赤ちゃんを守るワクチン「アブリスボ」
2024年1月に妊婦さんにワクチンを打つことで、お腹の赤ちゃんに
抗体ができる、ファイザー製「アブリスボ」が日本で承認され、2024年5月より販売が開始されました。
RSウイルスとは?
RSウイルスはヒトからヒトに感染するウイルスで、感染者の咳やくしゃみを吸い込んだり(飛沫感染)、ウイルスが付着した手指や物品を介したり(接触感染)することで鼻や口から入り込み、上気道から肺に感染します。
感染すると、発熱、鼻水や咳などの上気道症状がみられます。多くは軽症で済みますが、場合によっては肺に向かって感染が広がり、細気管支炎や肺炎を発症することがあります。
RSウイルスはごく一般的なウイルスです。2歳までにほとんどの子どもが初感染するといわれており、大人になっても再感染を繰り返すことがあります。初感染時には症状が重くなりやすく、特に乳児期早期の子どもや、基礎疾患がある子どもなどは重症化しやすいため注意が必要です。
ワクチンの効果
ワクチンの効果については、RSウイルスを原因とする下気道疾患は⽣後90⽇で 57.1%、180⽇で 51.3%の減少が認められ、RSVを原因とする⾼度の下気道疾患は⽣後90⽇で81.8%、⽣後180⽇で69.4%の減少が認められました。
このワクチンは⽣まれてくるこどもに対してRSウイルス感染症の予防に寄与することが期待されます。
また、妊娠28~36週に本ワクチンを接種した場合に有効性がより高い傾向が認められました。
ワクチンの安全性について
アブリスボの臨床試験の結果では、接種された母親と月齢24ヶ月までの乳幼児に安全性が懸念される事象は見られないという結果が出ております。
また、ワクチン接種による一般的な副作用を除く、RSウイルスワクチン特有と思われる副反応など現在まで報告されておりません。
よくある質問
Q1. 男性でもワクチンを打つことは出来るのでしょうか?
A1. RSワクチンは妊婦さんを対象としておりますので、男性へのワクチンの提供はしておりません。
Q2. ワクチンを打てば感染症にはならないのですか?
A2. ワクチン接種によってRSウイルスの感染を100%防ぐという訳ではありませんが、高い予防効果が期待できます。
Q3. 36週を超えてのワクチン接種でも効果はありますか?
A3. 36週を過ぎた方でも接種する事はできますが、ワクチン接種後2週間以内に出生した場合、抗体の移行が不十分な可能性があります。
Q4. ワクチンは安全なのでしょうか?
A4. 他のワクチン同様、接種に伴う副作用が見られる場合がございます。
臨床試験結果によると、RSウイルスワクチン特有の副作用や、早産や低出生体重などの関連は見られないと報告されております。
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