赤ちゃんの免疫力について

こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。

赤ちゃんが生まれてから成長する中で、パパやママにとって、赤ちゃんの健康と免疫力はとても気になるところですよね。

今回は、赤ちゃんが生まれてからどのように免疫力を持ち、成長していくのか、そしてその免疫力を育むための大切なことについてお話しします。

赤ちゃんが生まれたときの免疫

赤ちゃんが生まれてくるとき、大人と同程度の免疫力を持っています。それは、ママのお腹の中にいる間に胎盤を通じて受け取ったIgG抗体という免疫物質によるものです。このIgG抗体は、ママが持っているさまざまな病原体に対する免疫情報を赤ちゃんに伝え、赤ちゃんのことを生まれてからの半年間守ってくれます。

生まれてからの約6ヶ月間赤ちゃんはこのIgG抗体に守られています。しかし、このママから受け継いだ抗体は時間とともに徐々に減少し、生後6ヶ月を過ぎるとなくなり、赤ちゃん自身の免疫システムが主な役割を果たすようになります。

生後6ヶ月以降の免疫力

生後6ヶ月以降、赤ちゃんは自分の体でウイルスや細菌と戦う力を0から育てていきます。この時期からは、赤ちゃん自身の免疫システムが活発に働き始め、外界のさまざまな病原体と出会うことで、免疫力が強化されていきます。

この「戦い」は、赤ちゃんの免疫システムにとってとても重要です。ウイルスや細菌と戦うことで、赤ちゃんの体はその病原体に対する「記憶」を作り上げていきます。これがいわゆる免疫のメモリーです。この免疫メモリーができることで、次回同じ病原体に出会ったときに、すばやく効果的に対処することができるようになります。

免疫メモリーの重要性

免疫メモリーは、赤ちゃんが健康に成長していくために非常に大切なものです。風邪や軽い感染症にかかることは、実は免疫システムにとっての「トレーニング」のようなものであり、これを通じて免疫システムは強化されていきます。

例えば、初めて風邪をひいた時、赤ちゃんの体はそのウイルスと一生懸命戦います。そして、その経験が免疫メモリーとなり、次に同じウイルスが体内に入ってきたときには、体はすぐにそれを認識し、効率的に排除することができるようになります。

パパ・ママへのアドバイス

赤ちゃんの免疫力を育てるためには、次の点に注意してケアを行いましょう。

予防接種のスケジュールを守る
予防接種は、赤ちゃんが重い感染症にかかるリスクを減らし、免疫力を高めるために重要です。スケジュールに沿ってしっかりと接種を行いましょう。

バランスの取れた食事
母乳やミルクを通じて、赤ちゃんに必要な栄養素を十分に与えることが、免疫力の発達に寄与します。離乳食が始まったら、バランスの取れた食事を心掛けましょう。

清潔な環境を保つ
適度な清潔を保ちながらも、あまりにも過度に殺菌する必要はありません。適度に外の環境に触れさせることも、免疫システムを強化する一助となります。

ストレスを避ける
赤ちゃんが安心して過ごせる環境を整えましょう。ストレスの少ない環境は、免疫力の発達をサポートします。

赤ちゃんが初めて発熱するのは、パパママにとって大きな心配ごとですが、それは赤ちゃんが免疫システムを発達させ、成長している証でもあります。何か心配なことがあれば、いつでも私たちクリニックにご相談くださいね。

次回も役立つ情報をお届けしますのでお楽しみに!

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